カメラを止めるな! One Cut of the Dead
公開年 | 2017年 |
上映時間 | 96分 |
監督 | 上田慎一郎 |
脚本 | 上田慎一郎 |
共同原作 | 和田亮一/上田慎一郎 |
出演 | 濱津隆之 |
真魚 | |
しゅはまはるみ | |
秋山ゆずき | |
長屋和彰 | |
細井学 | |
市原洋 | |
イワゴウサトシ | |
大沢真一郎 | |
竹原芳子 |
あらすじ
とある郊外の廃墟で、ゾンビものの自主映画の撮影が行われていた。
その建物には、かつて日本軍が死体を蘇らせる実験をしていたという、忌まわしい都市伝説があった。
クライマックスシーンの撮影中、監督はヒロイン役の女優・千夏の演技に本物の恐怖が足りないと苛立ち、建物の屋上に血糊で禁忌のサインを描く。
すると、カメラマンが血まみれのゾンビと化して、ほかの撮影スタッフも次々と犠牲になっていく。
本物のゾンビの襲撃というリアリティを目にした監督は「アクション!カメラは止めない!」と叫び、逃げ惑う千夏たちを追いかけ、ハンディカメラで撮り続ける。
屋上に追いつめられた千夏は、ゾンビ化した恋人の首を斧ではね、ついには生身の監督にも刃を振り下ろす。
唯一生き残った彼女は屋上に描かれた五芒星のサインの上で立ち止まり、惨劇の余韻に浸るように、返り血に濡れた顔で空を見上げる。
このラストシーンの後、ここまでの映像が、実は、ゾンビ映画専門チャンネルの開局記念番組として企画された「30分間生放送、カメラ1台でワンシーン・ワンカット撮影」というゾンビドラマ『ONE CUT OF THE DEAD』の映像であったこと、すなわち劇中劇であったことが明かされる。
そして場面は、この撮影・放送より前の時間軸に遡る。
放送1か月前、映像監督の日暮隆之はこの番組のオファーを受け、一度は断ったものの、娘の真央が好きな俳優が出演すると知り、監督を引き受ける。
ヒロイン役は業界慣れしたアイドル女優、恋人役は理屈っぽいイケメン男優、脇役も一癖ある役者が揃い、生放送で放送事故を起こさぬよう、カメラマンや現場スタッフを交えて撮影手順のリハーサルを重ねた。
しかし、本番当日になって監督役とメイク役が交通事故でロケ地に到着せず、芝居経験のある日暮と妻の晴美が代役を演じることになる。
だが、本番が始まってからも予期せぬトラブルが続出していく。
カメラマン役やマイクマン役が勝手な行動をとり、撮影隊のカメラマンは持病の腰痛で動けなくなり、メイク役の晴美は芝居にのめり込んで暴走する。
その都度、役者のアドリブで間を繋ぎ、裏方の指示で台本のシーンを飛ばしたりして、何とかストーリーを進行していく。
見学に来ていた真央もスタッフに加わり、普段は見ることのできない日暮の映像作家としての気概に触れる。
そして迎えた屋上のラストシーンも、カメラクレーンの破損というトラブルが起きるが、スタッフ・役者一同が人間ピラミッドを組み、その頂上で真央がカメラを構えて予定のハイアングルカットを撮り、無事撮影を終了した。
この機転は、日暮が台本の裏に貼っていた家族写真を見て、真央が思いついたものだった。
その写真の中では、カメラを手にした幼き日の真央が日暮に肩車され、ふたりで笑いあっていた。